不正競争防止法第2条第1項第1号にいう周知

自己の商品表示が不正競争防止法第2条第1項第1号にいう周知の商品表示に当たると主張する甲が、これと類似の商品表示の使用等をする乙に対してその差止め等を請求するには、

 

1. 差止請求について 事実審の口頭弁論終結時、

2. 損害賠償の請求について 損害賠償請求の対象とされている類似の商品表示を使用等した各時点 において、

 

周知性を備えていることを要し,かつ,これをもって足りる。

 

 

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アースベルト事件(最高裁昭和 63 年 7 月 19 日判決)

 

自己の商品表示が不正競争防止法一条一項一号にいう周知の商品表示に当たると主張する甲が、これと類似の商品表示の使用等をする乙に対してその差止め等を請求するには、

 

甲の商品表示は、不正競争行為と目される乙の行為が甲の請求との関係で問題になる時点、すなわち、差止請求については現在(事実審の口頭弁論終結時)、損害賠償の請求については乙が損害賠償請求の対象とされている類似の商品表示の使用等をした各時点において、周知性を備えていることを要し、

 

かつ、これをもつて足りるというべきである。けだし、同号の規定自体、原判決説示のように周知性具備の時期を限定しているわけではなく、周知の商品表示として保護するに足る事実状態が形成された以上、その時点から右周知の商品表示と類似の商品表示の使用等によつて商品主体の混同を生じさせる行為を防止することが、周知の商品表示の主体に対する不正競争行為を禁止し、公正な競業秩序を維持するという同号の趣旨に合致するものであり、

 

このように解しても、右周知の商品表示が周知性を備える前から善意にこれと類似の商品表示の使用等をしている者は、継続して当該表示の使用等をすることが許されるのであつて(同法二条一項四号。いわゆる「旧来表示の善意使用」の抗弁)、その保護に十分であり、更には、損害賠償の請求については行為者の故意又は過失を要件としているのであつて(同法一条ノ二)、不当な結果にはならないからである。

(適用除外等)

第十九条 第三条から第十五条まで、第二十一条(第二項第七号に係る部分を除く。)及び第二十二条の規定は、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為については、適用しない。

一 第二条第一項第一号、第二号、第二十号及び第二十二号に掲げる不正競争 商品若しくは営業の普通名称(ぶどうを原料又は材料とする物の原産地の名称であって、普通名称となったものを除く。)若しくは同一若しくは類似の商品若しくは営業について慣用されている商品等表示(以下「普通名称等」と総称する。)を普通に用いられる方法で使用し、若しくは表示をし、又は普通名称等を普通に用いられる方法で使用し、若しくは表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為(同項第二十号及び第二十二号に掲げる不正競争の場合にあっては、普通名称等を普通に用いられる方法で表示をし、又は使用して役務を提供する行為を含む。)

二 第二条第一項第一号、第二号及び第二十二号に掲げる不正競争 自己の氏名を不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)でなく使用し、又は自己の氏名を不正の目的でなく使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為(同号に掲げる不正競争の場合にあっては、自己の氏名を不正の目的でなく使用して役務を提供する行為を含む。)

三 第二条第一項第一号に掲げる不正競争 他人の商品等表示が需要者の間に広く認識される前からその商品等表示と同一若しくは類似の商品等表示を使用する者又はその商品等表示に係る業務を承継した者がその商品等表示を不正の目的でなく使用し、又はその商品等表示を不正の目的でなく使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為

四 第二条第一項第二号に掲げる不正競争 他人の商品等表示が著名になる前からその商品等表示と同一若しくは類似の商品等表示を使用する者又はその商品等表示に係る業務を承継した者がその商品等表示を不正の目的でなく使用し、又はその商品等表示を不正の目的でなく使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為

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